お宮参りの着物「男の子の産着」購入するときの注意点・購入方法・購入価格
お宮参り【男の子の産着】選び方・注意点・購入方法について
今回は、「男の子の産着」を購入するときの注意点、価格、購入方法、選び方、柄の意味などをわかりやすく解説します。
- 男の子の産着の購入を失敗したくない
- 産着の選び方や注意点が知りたい
- 産着の価格や購入方法が知りたい
本記事では、上記の方へ向けて執筆しています。
最近では、衣装を 無料で 貸してくれる 写真館や スタジオが、増えました。
ついつい「お得感」ばかりが目立ちますが、思わぬ落とし穴も。
実際に起こっているトラブルも交えながら、男の子の産着の購入についてお話しします。
執筆者:数多くの伝統行事に関わってきたスタジオGRACEのカメラマンが、実体験をもとに書いています
■この記事では、以下の内容で、順に解説します
- 男の子の産着は誰が買う?
- 男の子の産着は、いつ買えばよい?
- 産着購入のメリット / デメリット
- 産着を買うときに注意すべきこと
- 産着の価格
- 産着の購入先/購入方法
- 産着の選び方
産着と同時に使うお宮参り小物についての記事も有益ですので、あわせてどうぞ。
はじめに
お宮参りの赤ちゃんの着物(きもの)は、いろいろな呼び方があります。
産着(うぶぎ)、初着(うぶぎ)、お祝い着、掛け着、宮参り着、熨斗目(のしめ)など
本記事では、「産着」で統一して、記載します。
産着とは、お宮参りで使う、このような着物のことです。
当ブログで使用している画像は無断転載・無断コピー禁止
記事のURLは、リンクフリーです
男の子の産着は誰が買う?
昔からの習慣では、「母方の祖父母が 産着を用意し、娘の嫁ぎ先へ お祝いの品として贈る」というのが、一般的でした。
※一部の地域では、父方の実家が用意するところもあります。
今では、そういった古くからのしきたりなどが薄れ、パパとママで用意するご家庭も増えています。
- 一般的には、母方の実家が用意すると言われている
- 今では、誰が買うといった明確な決まりはない
男の子の産着は、いつ買えばよい?
産後の忙しい時期、ママの負担を少しでも減らすため、お宮参りの準備は、計画的に行いましょう。
購入時期を決めるために考えるべきこと2つ
男の子の産着を買うタイミングについては、この2点を考えましょう。
- 産着に家紋を入れるかどうか
- いつ お宮参りをするのか
家紋を入れるには、期間が必要。(2週間~2か月=業者により異なる)
ですので、余裕を持って、早めに注文する必要があります。
また、お宮参りを いつするかも 考えましょう。
一般的には、男の子の場合、生後31か32日目に、産土神/氏神様のところへお参りすると言われています。
これは、地域や宗教によって異なり、生後100日目というところもあります。
産着の購入準備を始めるタイミング
例をあげますので、ご参考になさってください。
例1)しきたりを重んじるご家庭
- 生後31日目(または32日目)にお宮参りをする
- 男の子の産着には家紋は必ず入れる
⇒ 赤ちゃんが産まれる前から、産着を選び始めないと間に合わない
例2)お食い初めとお宮参りを一緒にする
- 生後100日前後にお宮参りをする予定
- 産着に家紋は入れたい
⇒赤ちゃんが産まれたら、早めに準備を始める
齢3)しきたりや風習は気にしない
- 生後2~3か月にお宮参りをする予定
- 家紋にこだわりはない
⇒ 店舗へ買いに行くのなら、直前でも大丈夫
産着購入のメリット / デメリット
お宮参りの衣装を用意する方法は、
- 購入する
- 貸衣装店などでレンタル
- 知人や親せきに借りる
- 代々使っている産着を使う
の4つの方法が代表的です。
購入とレンタルの比較は、こちらの記事で記載しています。
今回は、購入のメリット・デメリットだけを詳しく見ていきましょう。
産着を購入するメリット
- 新品で美しく、清潔
- 汚れや破損した場合も自分たちで処理できる
- 珍しい家紋でも入れられる
- 弟が産まれたときにも使える
- 思い出の品として持っておける
- 逸品が手に入る/高級感が違う
1~6の中でも、1と2は重要なポイント。
なぜなら、産着を借りた場合に多いトラブルが、
- よく見たら大きなシミがあった/汚れがあった
- ほつれなどの破損があった
- 汚してしまい追加料金(クリーニング代)が発生
- 破損してしまい、弁償することになった
…ということが、実際に多々あるからです。
お宮参りで使った産着を 七五三(3歳)にも使えるというのは メリットですが
- 羽織の下に着る着物としてなら、仕立て直せる
- 仕立て直しを業者に依頼するなら費用がかかる
- 羽織や袴は用意しなければいけない
…というのをお忘れなく。
※5歳でも使える着物もあります
知人や親せきに借りる場合も、クリーニング代や御礼のお金は必要です。
そう考えると、購入は気兼ねなく使えるし、清潔だし、メリットは大きいですね♪
産着を購入するデメリット
- 使った後はお手入れやクリーニングが必要
- 保管場所が必要
- レンタルより購入費用のほうが高い(場合が多い)
産着のクリーニング代は、5千円~1万円です。
着物専門のクリーニング店にお任せするのが安心です。
着物専門のクリーニング店のすごいところは、「これ、大丈夫?」と思う汚れでもキレイに落としてくださるところです。
どこに頼んでよいかわからないときは、おすすめのお店のページを貼っておきますので、お見積りしてもらってください。
着物染み抜きお見積り産着を買うときに注意すべきこと
産着の購入のときは、以下の3点を考えて選びます。
- 目的に合った生地は?
- 家紋入れの費用は別途必要?
- 小物は別途必要?
1.目的に合った生地とは
産着には、夏用とオールシーズン用があります。
夏用は、「絽(ろ)」という透け感のある通気性の良い織り方をしたもの。
夏用も、オールシーズン用も、素材は正絹(シルク100%)のものと、化学繊維のものがあります。
化学繊維の「洗える着物」は、おうちで簡単に洗えます。
- 夏に使いたい → 夏用の生地、またはオールシーズン用で襦袢を抜いて使う
- 二児、三児が産まれたときも使いたい → オールシーズン用
- 柔らかな肌触り・高級感重視 → 正絹
- お手入れ簡単 → 化学繊維の洗える着物
2、家紋入れの費用
男の子の産着は、家紋を五つ入れるのが一般的。
産着の価格とは別に、家紋入れの費用がかかることをお忘れなく。
お店によっては、「家紋入れ無料」のところもあります。
家紋入れの費用は、1~2万円。
産着を買うときに、いっしょに申し込めるお店が多いです。
安ければ、1万円以下のところもあります。
3、小物の費用
産着といっしょに使うお宮参り小物は、別途、用意する必要があります。
お宮参り小物には、以下のようなものがあります。
- 帽子(フード)
- よだれかけ
- お守り袋
- のし扇子(末広)
- 犬張り子
- でんでん太鼓
すべて必要と言うわけではありませんが、帽子とよだれかけは、あったほうが良いです。
帽子、よだれかけ、お守り袋などは、産着を買うと、セットになっているお店もあります。
重複して買わないように、サービス内容や条件に注意しましょう。
とくに、写真撮影するのであれば、「よだれかけ」は必須アイテム。
産着から下着や肌着が見えるのを防ぎます。
産着の価格
産着の購入価格は、1万5千円~20万円ほど。
価格に大きく開きがありますが、素材や染め方、刺繍の有無などの違いです。
産着の購入先/購入方法
購入先、購入の方法は、以下の5つが一般的です。
- 楽天やAmazonなどの大手通販サイト
- 呉服店のサイトからの通信販売
- 百貨店へ行く
- 呉服店・着物店へ行く
- ベビー用品店へ行く
通信販売のメリットや注意点
忙しい人にとって、かなり便利な通販。
呉服屋さんが減ってきた近年では、通信販売で産着を買う人が増えています。
通販のメリット
- 自宅にいて買い物がすべて完結する
- ポイントが溜まる/お買い得な日がある
- 取扱い商品の種類が豊富
大手通販サイト独自のサービスを利用することで、ポイント●倍、クーポン利用など、実質かなりお安く買えるのは、とても魅力的です。
例えば、以下のバナーにあるように、産着の購入にも限定サービスが利用できることも多いです。
こまめにチェックしておきましょう。
Yahoo!ショッピング=ソフトバンクユーザーなら絶対お得
楽天市場=楽天カード支払いでポイント2倍、特売日が多い
Amazon=2千円以上で送料無料になる商品多数
通販の注意点
- スマホやパソコンなどで見るため、実際の色と若干違うことがある
- 生地の光沢や質感、肌触りがわからない
- 産着の重さがわからない
- 天候等により配達が遅れることがある
トラブルを防ぐために…
- 販売ページは、よく読む
- 疑問点があれば、購入する前に電話などで問い合わせる
出産後、里帰りしているママさんは、配送先の指定を間違えないよう、ご注意ください。
通販の場合、自宅を届け先に登録しているので、ついついそのままポチっとしてしまう方が多いです。
実店舗へ行くときのメリットや注意点
実物を見て買いたいなら、産着の取扱いがあるお店へ 行きましょう。
実店舗のメリット
- 実物の色、質感、重量を確認できる
- わからないことは、すぐ店員さんに尋ねられる
- 安心してお買い物できる
呉服屋さんなら、着物のことだけでなく、お宮参りにまつわる知識も豊富。
わからないことは、聞いてみましょう。丁寧に教えてくださいます。
実店舗へ行くときの注意点
- 産着の取り扱いがあるか事前に確認しておく
- お店に置いてある商品の数が少ない場合がある
- 定休日、営業時間は必ず確認しておく
産着を反物から作ることも出来る!
お宮参りの産着は、仕上がったものを買うことが多いです。
しかし、反物からお仕立てしてくださる呉服屋さんもあります。
一般的に市販されている産着は、3歳の七五三までしか使えませんが、5歳まで使えるように作っていただくことも可能です。
また、裏地は化学繊維が一般的ですが、正絹で作っていただくこともできます。
産まれてきてくれた赤ちゃんに、何か特別なお祝いをしたいとお考えの方は、「反物からオーダーした産着」がぴったり。とても素敵な贈り物になりますよ。
産着の選び方
産着の生地については、上記に記載しましたので、ここでは、色や柄(模様)についてご紹介します。
産着の柄は、男の子も、女の子も共通して
- 縁起の良いもの
- 赤ちゃんの幸せを願うもの
ですので、難しく考える必要はなく、お好きなデザインを選んでOKです。
ただ、なかなか決められないときに「描かれた柄の意味」をご参考になさってみては、いかがでしょうか。
男の子の産着、人気のカラー
1番人気は黒
男の子の産着で、人気のある色は、ダントツで「黒」
黒い生地の上では、色がついた柄や金糸が目立ち、とても華やかです。
産着の場合は、「黒=地味」ではなく、柄がハッキリと目立ち、豪華で、フォーマル度の高い印象です。
2番目は紺
黒に続き、人気の色は「濃紺/紺」。
黒より少し明るい印象が良ければ、紺が良いでしょう。
紺色も黒と同様、色とりどりの柄や金糸が映える、フォーマルな印象の色です。
その他の色
黒と紺の他では、「青」「深い緑」「白」も人気のカラー。
それに続き、空色(水色)、からし色などもよく見ます。
カメラマン目線で言いますと、濃い色の産着のほうが、赤ちゃんのお顔がハッキリとした印象に写ります。
特に男の子の場合は、濃い色のほうがキリっとカッコよくて良いですね~(*^^*)
「白」も、爽やかさ、清潔感、潔さ(いさぎよさ)などを感じさせる色で素敵です。
人気の柄(模様)
男の子の産着で人気の柄は、
- 鷹(たか)
- 兜(かぶと)
メインとなる柄は、「龍」「虎」「鯉」「宝船」などもあります。
メインの柄の周りに描かれるモチーフは、
- 打ち出の小槌
- 束ね熨斗(たばねのし)
- 軍配
- 鼓(つづみ)
などがあります。
では、それぞれの柄の意味や、そのモチーフに込められた願いをご紹介します。
鷹 たか
- 権威の象徴
- 出世や大成を願う
- 物事の本質を見抜く力を持つ
- 一度つかんだ幸運は離さない
鷹は、とても利口な鳥です。
昔、身分の高い人たちの間では、「鷹狩り」という「鷹を飼いならし、小動物を獲る狩猟」が行われていました。
そのため、「鷹/鷹狩り=権威の象徴」となり、
男の子の出世や大成を願う気持ちを込めて、産着に描かれるようになりました。
◆鷹の目
大空に高く舞い上がり、地上の小さな獲物を見つけるほどの眼力
↓
はるか遠くまで見渡せる眼
↓
「物事の本質を見抜く力」「先を見通す力」を、持ってほしいという願いが込められています。
◆鷹のするどい爪
獲物をがっちりとつかむ爪
↓
一度つかんだものは離さない
↓
「運や幸せをつかんだら、離さないで欲しい」という願いが込められています。
兜 かぶと
- 権威と高い身分の象徴
- 邪気や厄災から男の子を守る
- 健やかな成長を願う
- 出世を願う
◆兜は頭を守るもの
兜は武士が戦いで頭を守るために着用していた
↓
男の子を守る物
↓
邪気や厄災をはらう=健やかに成長してほしいという願い
◆飾りのついた兜
豪華な飾りがついた兜
↓
身分の高い武将だけがかぶることを許されていた
↓
権威と地位が高いことの象徴/出世してほしいという願い
打ち出の小槌 うちでのこづち
- 将来の願いが叶う
- お金や物に一生困らない
- 大きく成長してほしい
七福神の大黒様も持っている有名なアイテム/縁起物
願いを唱えながら振るといろいろなモノが出てくる
↓
一生、お金や物に困らない
昔話の「一寸法師」が最後に打ち出の小槌を振って、大きくなり立派な青年になった
↓
すくすく成長してほしい
束ね熨斗 たばねのし
メインにもなる伝統的な柄
- 多くの人からの祝福の象徴
- 人とのつながりや絆
- 長寿を願う気持ち
熨斗(のし)はお祝いの品に添えるもの
↓
たくさん束ねる=たくさんの祝福
たくさんの祝福を受け幸せになる
↓
周囲の人と幸せを分かち合う
↓
つながりや絆を表す
軍配 ぐんぱい
- 高い知力、判断力、行動力を持ってほしい
- 自分で采配し、正しい道を進んでほしい
- 先頭に立ち、人をまとめ動かせる人になってほしい
軍配は、戦国時代の武将が、軍を指揮するために使っていたアイテム
↓
勝負の采配を決定づける物
↓
高い能力を持ち、人の上に立ち、導くことができる人
鼓 つづみ
- 邪気払い、魔除け
- 知性や教養の象徴
- 健やかな成長を願う
鼓(つづみ)とは、皮を張った楽器
見た目の小ささに比べ、大きな音が鳴る→「大きく鳴る」→「大きくなる=成長」
大きな音=魔物を祓う→「邪気払い、魔除け」
まとめ
男の子のお宮参りの産着、購入先や購入方法、購入についての注意点などをご紹介しました。
お祝いの行事ですので、このページに記載したことを参考に、トラブルなく、記念となる日をお過ごしいただければ幸いです。
なるべく安く、お手入れも簡単な産着をお探しの方へ
私も購入しました♪
お手頃価格で、素敵なデザインが豊富な産着です。
素材は、ポリエステル。
ポリエステルは、強くて虫食いの心配もなく、自宅で洗えるので、保管も簡単。
5年以上使いましたが、まったく問題なし。
楽天市場に掲載されているこちらの商品は、本当に良い商品だなと思います。
※人気の色や柄は品切れのものもございます。悪しからずご了承ください。