お宮参りの衣装 家紋は入れるべき? 父方、母方、どちらの家紋? 家紋の選び方、入れ方
本記事では、お宮参りの衣装に入れる家紋について詳しくご説明します。
衣装に家紋をいれるかどうかは、性別や地域によって違います。
はじめてお宮参りをされる方へ
家紋の選び方や入れ方をわかりやすく解説します。
この記事は、数多くの伝統行事や記念撮影に携わてきたスタジオGRACEが執筆しています。
お宮参りの衣装に家紋は必要?
- 絶対に必要というわけではない
- 男の子の着物には、家紋を入れることが多い
- 女の子の着物には、家紋を入れないことが多い
- 家紋を入れると着物の格が上がる(服装の格)
では、もっと詳しくご説明していきます。
家紋とは何か、なぜ家紋を入れるのか、男の子の場合、女の子の場合、選び方を順に、みていきましょう。
赤ちゃんの衣装、詳しい購入方法についてはこちら
購入かレンタルかで迷っている方は、こちら
家紋とは?
- 家(家系)、血筋を表すマーク
家紋とは、簡単に言うと、家系を表すマークです
家紋は、平安時代(約900年前)に、公家が家具や持ち物に美しい紋様(もんよう)を付けたのが始まりです。
それが貴族たちの間で流行し、家紋として定着しました。
その後、鎌倉時代には武士の間で、敵・味方を見分けるための目印の意味も含めて広まります。
江戸時代になると単に「家のしるし」としての意味合いだけになり、
幕末から明治時代になると一般の人たちの間で再び流行。
家具や調度品、正式な時に着る着物などにも付けるようになり、デザインも豊富になりました。
お宮参りの衣装に家紋がついているのはなぜ?
- 赤ちゃんの着物に家紋を入れ、格式の高い正装にするため
お宮参りの衣装は、和服(着物)です。
家紋がついている着物は、格式が高く、また、家紋の数で服装の格式が上がります。
- お宮参りの産着=着物
- 着物=紋付(家紋が入っている着物)のほうが格式が高い
- 紋付(もんつき)=家紋の数が多いほうが格式が高い
- 着物に入れる家紋の数は最高5つ(5カ所)
※ 赤ちゃんのお宮参りの衣装は、いろいろな言い方があります。
産着(うぶぎ)、初着(うぶぎ)、ハレ着
宮参り着、掛け着、お祝い着、熨斗目(のしめ)など。
どれも、同じものを指します。
お宮参りの衣装 父方、母方、どちらの家紋を入れる?
- 赤ちゃんの苗字になる家の家紋
結婚し、嫁入りした場合、家紋を入れるときは、父方の家紋を入れるのが一般的です。
婿入り(むこいり)した場合は、母方の家紋を入れます。
「赤ちゃんの苗字になる家の家紋」と覚えておきましょう。
お宮参りの衣装 家紋 男の子の場合
- 赤ちゃんが男の子の場合、着物に家紋を入れることが多い
紋付(もんつき)=家紋が入った着物
- 背中に1つ=一つ紋
- 背中に1つ+両袖の後ろ(2つ)=三つ紋
- 背中に1つ+両袖の後ろ(2つ)+両胸(2つ)=五つ紋
五つ紋が最も格式が高い
お宮参りは、昔から神聖な儀式であるため、正装でお参りするものでした。
ですので、お宮参りの主役である赤ちゃんの衣装は、最も格式が高い五つ紋を入れます。
お宮参りの衣装 家紋 女の子の場合
- 赤ちゃんが女の子の場合、着物に家紋を入れることは少ない
- 入れてはいけないという決まりはない
- 入れる場合は背中にひとつ入れる「一つ紋」が多い
女の子のお宮参りの産着は、あまり家紋は入れません。
ですので、家紋を入れるようにデザインされていないものが、多いです。
もし入れるなら、背中にひとつ(一つ紋)。
背中に大きく柄が入っていることが多いので、着物屋さんと相談しながら、家紋を入れられそうな柄の着物を選びましょう。
家紋の調べ方は?
家紋が分からないときの調べ方は、
- 家族・親戚・本家に聞いてみる
- 家に紋付のハカマや着物がないか、探してみる
- 仏壇・位牌・神棚などに家紋が描かれていないか、見てみる
- お墓に家紋が彫られていることもあるので、お墓を見てみる
家紋は、登録制ではなく、もともと自由に作られたもの。
どうしてもわからない場合は自分で作ったり、決めたりしても良いのです。
ただ、天皇・皇室の「十六八重菊」や徳川家の「三つ葉葵」は、使わないようにしましょう。
お商売をされている家系では、家紋を登録商標として登録していることもあります。
その場合は、それを使うとトラブルになることもありますので、注意が必要です。
ロゴ・マークの登録商標の調べ方は、こちらが分かりやすいです
図形商標(ロゴ)の登録商標を検索する方法 | 商標登録ファーム( J-star国際特許商標事務所) (trademark-registration.jp)
衣装に家紋を入れてもらう方法
次は、家紋を入れてもらう方法や費用について、ご説明します。
家紋を入れてもらうにはどうすればいいの?
家紋を入れてもらうには、2つの方法があります。
- お宮参り用の衣装を扱っている着物屋さんでお願いする
- 紋入れの専門店へお願いする
家紋を入れるのにかかる費用
家紋入れの費用は、安いところなら1万円以下であります。
価格が安い店舗では、代表的な家紋しか選べないこともありますので、メールや電話で、しっかり確認してから注文/決済しましょう。
また、注文する際には、写真(画像)を添付するなどして、間違いのないように気をつけましょう。
参考までに紋入れを行っている業者さんのリンクを貼っておきます。
手順などがわかりやすいので、ご参考にどうぞ。
仕上がりまでにかかる時間
- 短ければ2週間、だいたい1か月~2ヶ月くらい
いろいろなお店で聞いてみました。
お願いするお店により異なりますが、注文してから施工、発送、お届けまで、2週間から1か月、または2ヶ月くらい必要です。
お宮参りを生後1か月でする場合は、出産前から衣装を準備しておかないと 間に合わない可能性があります。
赤ちゃんが産まれると、何かと忙しくなります。
出産前から情報収集しておくと良いでしょう。
※ 紋入れに必要な時間は、方法(染め抜き、刺繍、摺り込みなど)によって異なります。
レンタルの場合はどうすればいいの?
お宮参りの衣装をレンタルする場合は、家紋を入れないことが多いです。
また、家紋付きの衣装もありますが、自分の家とは関係のない家紋が入っています。
追加料金を払えば、一時的に希望の家紋を入れてくれる貸衣装店もあります。
※ 写真館やフォトスタジオで無料で借りられる衣装には家紋が入っていないものが多い
- 安くて便利な対処法としては、「家紋シール」があります。
当店で、お宮参り撮影や七五三撮影をしていて、よく見かけるのが「家紋シール」です。
家紋シールの購入方法
- 呉服屋さん(産着を扱うお店)
- ベビー用品店(産着を扱うお店)
- ネット通販(=一番おすすめ)
呉服屋さんやベビー用品店に行く場合は、商品としておいているか電話で確認してから行くようにしましょう。
ネット通販なら
- ご希望の家紋を選択し買い物カゴに入れるだけ
- 3日以内に配送手続き、速やかに発送
- ポストに入る大きさなので、受け取りの時間指定も不要
家紋シールに似ている商品で、アイロン接着のものがありますが、
レンタルの衣装に着ける場合は、「シール」のものを購入しましょう。
楽天やAmazonなどの大手通販サイトなら、ポイントやクーポン、期間限定サービスなどがあり、店舗で買うより、実質、お得。
この家紋シールのシリーズは、100種類もの家紋があります。
取扱種類が多いのと、6枚セットなのが嬉しい (≧▽≦)
家紋シールの使い方
お宮参りのレンタル衣装に家紋シールを貼る方法
- 着物に貼るだけ
円形なので、上下を間違えないように、注意!
※ レンタル衣装に家紋シールを貼る場合は、粘着力で着物の生地を傷める恐れもありますので、念のため、店舗に家紋シールの使用が可能か、聞いておくと安心です。
家紋シールのメリット
- レンタル衣装に貼って使った後は、剥がせばOK
- お手軽で気軽に自分の家の家紋付き衣装ができる
- 注文後、届いたら、すぐ使える
- 100種類の家紋から選べる
家紋シールのデメリット
- 特殊な家紋には対応できない
- 時期によっては、売り切れていることがある
- 長時間の使用の場合、粘着力が足りないことも…
- お宮参り途中ではがれることがある
- ほぼ使い捨てで、使いまわしはできない
- 沖縄や北海道など一部の離島は発送に時間がかかったり、追加料金が必要
上手に使うアイディア・方法
- 貼る前に、貼る位置、家紋の上下はしっかり確認
- 粘着力補強のために両面テープを持って行く
- 写真を撮るときは、はしっこがめくれてないかこまめに確認
両面テープ:一般的なものでOK
お宮参りでも、七五三でも、家紋シールを使うときは、持っておくと安心!
撮影中に家紋シールが、はがれることがよくあります。
必ず補強できる両面テープを持って行きましょう。
両面テープは、あまり粘着力が強すぎると着物の生地を傷めます。
一般的な文具用でOKです。
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お宮参りの衣装でよくあるトラブル
- 衣装に家紋が入ってなかったため祖父母から「男の子なのに、なぜ家紋が入っていないのか」と言われ、その後、両家の関係(または親子関係)がギクシャク…
- 家紋入りの衣装が欲しかったが、加工に日数がかかると知らず、間に合わなかった
- よく見たら家紋が間違っていた
- レンタルした衣装が汚れていた(シミがあった)
- 費用について、両家のどちらが出すべきかの言い合い
- 代々使ってきた衣装を着せたいお祖母様と、シミだらけの衣装がイヤなママのバトル
などなど…
各ご家庭の考え方の違いや、宗教の違いは、解決方法も難しいですね。
当店で撮影させていただいたお客様では、お祖父母様不参加で、パパ・ママ・赤ちゃんだけでお宮参りされる方も多いですよ。
また、以下のようなパターンも…
こんなご家庭もあります
- 両家の祖父母とお宮参りに行った後、別日にパパ・ママ・赤ちゃんだけでもう一度お宮参りに行く
- 父方の祖父母と行き、別日に、母方の祖父母と行く
- 祖父母からお祝金をもらい、お参りは「パパ、ママ、赤ちゃんだけ」で行き、後でお礼として写真だけ贈る
お宮参りはお祝いのイベントですから、なるべくトラブルがないようにしたいですね。
伝統行事に対する考え方や宗教の違いなど、仕方がない部分もありますが、よく話し合い、防げるトラブルは、極力回避しましょう。
まとめ
お宮参りの衣装に入れる家紋について、最後にザックリまとめておきます。
- お宮参りの衣装、必ず家紋を入れないといけないというわけではない
- 男児の産着は家紋を入れることが多い
- 家紋が入っている着物のほうが格式が高い ( 五つ紋が最高 )
- 女児の産着は家紋を入れないことが多い
- 女児の衣装に家紋を入れる場合は、背中に一つ(一つ紋)
- 衣装に家紋を入れる加工は日数がかかる( 2週間~2か月 )
- 一般的には父方の家紋を入れる
- 家紋を調べるには、仏具・墓石・神棚・着物などをチェックするか親族・本家に聞いてみる
- レンタル衣装には家紋シールがお手軽
- 家紋シールを使うときは念のため両面テープを持って行こう
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