お宮参りの初穂料 金額/のし袋の選び方/書き方/渡し方/お金の入れ方 について(イラスト付きで説明)
初めてお宮参りされる方へ。
今回は、「お宮参りの初穂料」について、ご祈祷を受けるのが、まったくの初めての方にも、わかりやすく解説します。
初穂料って何?という方も、この記事を読めば、
- 初穂料の読み方
- 初穂料の意味
- 金額、納め方(渡し方)など
すべて、わかります。
この記事は数多くのお宮参り撮影をしてきたスタジオGRACEが執筆しています。
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初穂料とは?何のこと?読み方は?
「初穂料」、初めて聞く方もいらっしゃると思います。
読み方や何のことを指しているのかから、見ていきましょう。
「初穂料」の読み方
初穂料は、「はつほりょう」と読みます
「初穂料」とは?
「初穂料」とは、
- 神事(神様にまつわる行事)のときに納めるお金
- ご祈祷を受ける際に神前にお供えするお金
- ご祈祷を受けた謝礼として納めるお金
昔は、その年に初めて収穫した農作物を豊作祈と感謝の気持ちを込めて神様にお供え(おそなえ)しました。
「初穂」=「その年に初めて収穫した穂 ( 稲・米 ) 」です。
しかし、最初のお米をお供えできるのは農家だけでした。
お米を作っていない者は、代わりに野菜・果物・魚などを供え、だんだんと「お金」をお供えするようになりました。
そして、神様にお供えする物は米に限らず「初穂」と呼ぶようになったのです。
初穂料は、神社への支払い(料金)のように感じてしまいますが、本来は神様への「御礼やお供え」という意味です。
初穂料、玉串料、祈祷料、お布施 どうちがう?
初穂料と似たようなものに、「玉串料」「祈祷料」「お布施」などがあります。
どう違うのか、ご紹介します。
覚えておくと、大人の常識/マナーとしても、役立ちますよ。
初穂料 ( はつほりょう )
- 神様に感謝の気持ちを伝えるためのお供えや御礼のお金
- 慶事=お祝い事に使う
- お守りをいただくときに使う
「初穂料」が使えるのは、
お宮参り/七五三/地鎮祭/新車お祓い/その他お祓い/お守り購入/お札購入
神社での結婚式(神前式)にも「初穂料」は使えます。
のし袋の水引の結び方が違うので下記の「のし袋の選び方」をご参照ください。
初穂/初穂料は
- 感謝の気持ちや喜びの気持ちを表すもの
と覚えておきましょう
玉串料(たまぐしりょう)
玉串料(たまぐしりょう)の「玉串」とは、榊(さかき)の枝に紙垂(しで)をつけたものです。
慶事にも弔事(ちょうじ=お葬式や法事のこと)、どちらにも使えます。
お守りやお札を購入するときには使いません。
「玉串」は、サカキに紙垂をつけたものです。
これです↓↓↓
昔々、天照大御神(あまてらすおおみかみ=太陽の神)が天岩戸(あまのいわや)へ隠れてしまい日本が真っ暗になってしまいました。
その時に、困った人々がサカキに鏡や玉をつけて飾り、祈りました。
その祈りや願いが通じて、天照大御神が出てきました。
これが、玉串の始まりと言われています。
玉串/玉串料は、「人の願いや気持ちを神に通じやすくするためのもの」と覚えましょう
祈祷料(きとうりょう)/ご祈祷料
神社やお寺で、祈祷を受けるときに、納めるお金
お寺へお初参りへ行くときは「初穂料」ではなく「祈祷料」と言います。
祈祷(きとう)とは、願いを神様へ伝え、叶えてもらうようにするための儀式です。
願いには、健康/安全/合格/必勝など、いろいろあります。
似た言葉で「祈願」(きがん)がありますが、これは、自分で直接、神様にお願いをすることです。
「祈祷」(きとう)は、神職や僧侶が行います。
祈願=自分でする
祈祷=誰かにやってもらう
コラム 祈祷とは、具体的に何をするの?
正装した神職による祝詞(のりと)を挙げていただき、神様へ願いを届け、神のご加護を受けるための儀式です。
簡単に言うと、「正装(ちゃんとした服装/衣装)を身に着けた神社の人が、特別な言葉で、人のお願いを神様に伝え、神様から守ってもらえるよう祈ってくれる」という感じです。
お宮参りでは、赤ちゃんが誕生したことを神に報告し、氏子が増えましたよと伝え、無事に出産できた感謝の気持ちを伝え、今後、健やかに育つよう守ってくださいとお願いします。
お布施(おふせ)
お布施(おふせ)とは、お寺に納めるお金。お坊さんにお経を読んでもらったり、戒名(死んだ人につける名前)をいただいたときに納めるお金のことです。
お布施(おふせ)は、お葬式、法事、法要で僧侶に渡すものと覚えておきましょう
初穂料 良くある失敗
初穂料のマナーを知らなくて失敗してしまった実例です。
- 神社で、初穂料をのし袋に入れず、現金で渡したのが、うちだけだった。
- 他の方はのし袋に入れていたのに、うちだけ茶封筒だった。
- 表書きを普通のペンで書いた
- のし袋の水引の結び方が間違っていた
- のし袋の表書きに「初穂料」と書いて渡したら、他の家のは「御初穂料」と書いていた。
- 内袋に何も記入せずに神社へ納めた
- お札の向きが間違っていた
- 用意した袋がどこにあるかわからず、受付でもたついてしまった
- だれが払うかで、受付でもめた
では、次に、お宮参りで恥ずかしい思いをしたり、トラブルにならないよう「初穂料」について、詳しく解説していきます。
お宮参りの初穂料、金額や渡し方について
初穂料の金額の相場、双子の場合はどうなるのか、渡し方や渡すタイミングはいつ?など、順に見ていきましょう。
初穂料の金額
一般的に初穂料は「5000円~10000円」が相場です。
行きたい神社のホームページで確認できます。
また、記載されていない場合は、電話でお問合せできます。
- 東京 明治神宮 1万円~ 授与品 お食い初めの食器 お守り等
- 大阪 住吉大社 1万円 授与品 お食い初めの食器 お守り等
- 京都伏見稲荷 5000円 授与品 お守り等
- 兵庫県神戸市 生田神社 1万円 授与品 お食い初めの食器(ファミリアの椀やコップ)等
- 兵庫県宝塚市 中山寺 1万円 授与品 母と子のお守り、記念品等
※お寺へ行く場合はお宮参りではなく「お初参り」「初参り」と言います
※お寺では御初穂料ではなく「御祈祷料」や「お布施」と書きます
実際に電話をかけてみたのですが、どこも丁寧に教えてくださいました。
気になる点をまとめてから、尋ねることをリストにして、順序良く質問できるようにしておくと良いですね
ひとくちメモ
神社へ電話して質問することのリストを作ってみました♪
このまま言えばOK!ご参考にどうぞ♪
■聞くことリスト■
お宮参りの初穂料についておたずねしたいのですが…
- 金額はおいくらでしょうか?
- のし袋には入れたほうが良いでしょうか?
- 双子の場合はどうなるでしょうか?(ふたごのとき)
- 出張カメラマンによる撮影は可能でしょうか?(撮影を依頼する場合)
- ご祈祷の予約は必要でしょうか?
- おむつ替えや授乳をする場所はありますでしょうか?
その他、気になることがあれば、リストに追加してくださいね!
双子の場合、初穂料はどうすればいいの?
神社のホームページに記載されている初穂料は基本的に1名分。
ですので、双子(ふたご)の場合は、2倍の2人分が必要な神社が多いです。
これは、神社にもよりますので、お電話で確認することをお勧めします。
神社のホームページに記載されている初穂料はお子様1名の料金です。
例えば、1万円と記載があれば、双子の場合は「1万円」+「1万円」となります。
のし袋に包むのなら、1人分ずつ入れ、2つ のし袋を用意します。
初穂料には、授与品の原価も入っていますので、
お食い初めの食器などの品がもらえるところであれば、当然「2人分もらわないと」ってなりますよね。
授与品が豪華でないところの方が初穂料が安かったり、お子様2名以降の割引があったりします。
双子の「初穂料」は一袋に入れ連名でも良い?
双子の初穂料は、できれば1名分ずつきちんと包む方が良いです。
ひとつの熨斗袋へまとめて入れ、連名にしても良いのですが、念のため、事前に神社へ問い合わせてみましょう。
偶数、奇数が気になる方へ
昔から、基本的にお祝い金は、偶数を嫌います。
偶数(2,4,6,8)は、割り切れる数字なので、「割れる、別れる」などを連想させるためです。
中国の陰陽思想では
- 「奇数」は「陽」で、おめでたい数字
- 「偶数」は「陰」で、消極的な面をもつ数字
と、言われていることも影響しています。
ですので、赤ちゃん1名分の初穂料が5千円の場合、ひとつの熨斗袋に1万円を入れるのは良いでしょう。
でも、赤ちゃん1名分の初穂料が1万円の場合、2万円という偶数を入れることになります。
その場合は、1名分ずつ熨斗袋を用意するか、1万円と5千円札2枚で、お札の数を奇数にします。
最近では、結婚式のお祝儀には「ペア」や「二重のよろこび」を連想させるため「2万円」を包んでも良いとされていたり、
その他の慶事でも「末広がり」を連想させる「8=8千円」は良いとされています。
風習やしきたりは、時代とともに変化していくものですね。
初穂料は、いつ渡す?どうやって渡す?
初穂料を渡すタイミングは…
「ご祈祷の受付をするとき」が一般的です。
社務所やご祈祷受付の窓口へ行き、ご祈祷の申込用紙を書きます。
申込用紙には、住所、氏名、生年月日を記入する欄があります。
書き終えたら、初穂料を添えて、受付の方へお渡しします。
初穂料の渡し方は…
一般的には、「のし袋」または「白い封筒」に入れて渡します。
ですので、当日財布から出すのではなく、事前に用意しておく必要があります。
最近では、神社に問い合わせると、「ご祈祷の受付窓口で現金でお渡しください」というところもあります。
【電話して聞いてみたら…】
東京 明治神宮 1万円~ のし袋にいれても、現金そのままでもOK
大阪 住吉大社 1万円 のし袋にいれても、現金そのままでもOK
京都伏見稲荷 5000円 のし袋にいれても、現金そのままでもOK
…とのことでした。
初穂料「のし袋」について
のし袋を買いに行くと種類がたくさんあって、迷います。
のし袋の選び方、水引の形による意味の違いなどを見ていきましょう。
のし袋や水引も日本の素敵な文化です。ぜひ、マナーとして覚えておきましょう。
のし袋の選び方① まずは水引の形を見ましょう
水引の形は蝶結び(花結び/もろわな結び)
のし袋は、水引が紅白の蝶結びになっているものを選びます。
何度あっても良いお祝い事やイベントに使う結び方です。
水引の形 結び切り(むすびきり)/ま結び(まむすび)はお宮参りではNG
「結び切り」は、結んだらほどけないことから、「一度きり、これっきり、二度とない」という意味が込められています。
結婚式のように、一度きりであってほしいお祝い事には「結び切り/ま結び」
ひとくちメモ
水引の蝶結び(ちょうむすび)は、花結び(はなむすび)、もろわな結びとも言われ、
何度あっても良いことに使われる水引の結び方です。
赤ちゃんの誕生やお子さまの成長に関することは何度あっても良いことですので、「蝶結び」と覚えておきましょう。
【用途】
お宮参り、七五三、出産祝い、お年玉、お中元、お歳暮など
のし袋の選び方② 次は袋の豪華さに注目
のし袋は、入れる金額に見合ったものを使います。
のし袋だけが、やたら豪華なのに金額は少ない…なんてことのないように注意しましょう。
では、お宮参りでは、
- 水引が簡略化され印刷になっている封筒のようなのし袋
- きちんと水引を結んだのし袋
どちらを選べば良いのでしょうか?
選び方の基準・目安としては、
- 入れる金額が5千円以下なら、水引が印刷されたものでOK
- 1万円以上なら、水引を結んだものを選ぶ
という感じです。
入れる金額が5千円以下なら、こんな水引が印刷されたのし袋でOK
入れる金額が1万円以上なら水引を結んだものを使います
初穂料「のし袋」書き方
お宮参り のし袋「外袋」の表書き 書き方
のし袋の表には、上部の中央に「御初穂料」、下部に「お子様のお名前(フルネーム)」を書きます。
使用するのは、毛筆、または筆ペン。
色は、黒です。
地域によっては、赤ちゃんのお名前の横に、保護者のお名前を書くところもあります。
難しい漢字には、読み仮名(ふりがな)をふっておきましょう。
お宮参り のし袋「中袋」の表書き・裏書き 書き方
のし袋の中袋には、表側に金額を漢字で書きます。
数字は、難しいほうの漢数字(大字)を使います。
中袋の裏面には、住所とお子様のお名前をフルネームで書きます。
1万円=金 壱萬円
5千円=金 伍仟円
・
中袋に金額や住所の記入欄がデザインされている場合は、それに従って記入します。
封筒を使うときの書き方
封筒を使うときは、白い封筒を使います。
表書きは、のし袋と同様です。
封筒の裏面には、住所と金額を書きます。
封筒裏面は、細かい字が多いので、サインペンでも可。
ボールペンは不可。
のし袋 お金の入れ方は?新札じゃないとダメ?
のし袋を用意して、いざ、お札をいれようとして迷ったことはありませんか?
正しいお札の入れ方をイラスト付きでご説明します。
お金の入れ方・お札の向き
のし袋にお金を入れるときは「向き」に注意。
お札、中袋、のし袋の表側をそろえて入れます。
お札は人物の肖像画が描いてある方が表で、人物が上にくるように入れます。
初穂料のお金、新札を入れる?
お金は、新札でなくても良いのですが、きれいなほうが好ましいです。
あまりにも、汚れているお金や、しわくちゃなお金は控えましょう。
慶事に、新札を使う理由は、
きれいなお金を事前に準備することで、「このお祝い事を心待ちにしていました」という意味を表すためです。
逆に、弔事には新札は使いません。
しかし、汚いお金やシワシワのお金はマナー違反です。
ついでに覚えておきましょう
- 慶事(読み方:けいじ)=お祝い事、めでたいこと
- 弔事(読み方:ちょうじ)=お通夜や葬儀などのお悔み事
初穂料は誰が払う?
初穂料は誰が払うという決まりはありません。
ママやパパが用意するご家庭もあれば、祖父母が用意するご家庭もあります。
神社やお寺の御祈祷の受付で、もめないように、事前に家族で話し合い、決めて準備しておきましょう。
お宮参りのお祝い金を両親からいただいた場合は、それを食事や写真撮影、初穂料などに使います。
お祝い金なしで、パパやママのご両親が、お宮参りの費用を負担してくださるケースもあります。
その時は遠慮せず出していただいて問題ありません。
できれば両家の負担が同じくらいになるのが良いでしょう。
例えば、父方の祖父母が初穂料を出し、母方の祖父母が衣装のレンタル代を出すなど。
ご祈祷には予約が必要なことがあります。
事前に神社に問合せして確認しておきましょう。
人気のある神社に行くなら早めに予約しておくと安心です。
ご祈祷をせず、普通に参拝するだけなら初穂料は不要です。
まとめ
お宮参りの初穂料についてご紹介しました。
ざっと、まとめると…
- 神社では、
お宮参り(お宮詣り/初宮参り/初宮詣)と言い、「御初穂料」(おはつほりょう)を収める
- お寺では、
初参り/お初参りと言い、「御祈祷料」(ごきとうりょう)を収める
- 金額は5000~10000円が相場。
神社やお寺のホームページで調べるか、電話で確認すると良い。
- お金はのし袋、または白い封筒に入れるのが良い。
- 熨斗袋の水引は、蝶結び(花結び、もろわな結び)1
- のし袋の表には、上部に「御初穂料」下部に「お子様の姓名」を筆、または筆ペンで記載する
中袋には、表に金額、裏に住所と名前を記載。
封筒の場合は、表はのし袋と同じ、裏には住所とお子様の姓名。
- お金を入れるときは、のし袋、中袋、お札、それぞれ表をそろえて入れる。
分からないことがありましたら、神社やお寺にお電話してお尋ねください。
事前に確認しておけば、お宮参り当日、安心しておでかけできます。
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