お宮参り「喪中」のときはどうすればいいの?
喪中/忌中のお宮参りは、行っても良いのかについて解説します。
この記事は、このような疑問を持つ方へ向けて執筆します。
- 身内に不幸があったとき、お宮参りをしてはいけない?
- 慶事を控えるべき期間は?
- 神社とお寺で違う点はある?
この記事は、数多くのお宮参り撮影をしてきたスタジオGRACEのカメラマンの私、馬場みのりが、実体験をもとに書いています。
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はじめに「お宮参り」「喪中」「忌中」について
まずは、お宮参り、喪中、忌中について、ざっくり整理しておきましょう。
お宮参りとは
- 慶事(けいじ)、お祝いの行事
- 生後1か月頃に神社で行うのが一般的
- 行う時期は地域や宗教により異なる
- 神社でなくお寺へ行くこともある
- 神社でなくお寺で行う場合は「お初参り」という
喪中とは
身内(家族)など、自分と関係の近い人、親しい人が亡くなったときに、喪に服す期間のこと
喪に服すとは
死んだ人の幸福(天国へ行くとか成仏するなど)を願い、死んだ人との思い出を懐かしみ、派手なことやお祝いをしないという事。
「喪」(も)=親近者が死んでから一定期間、その人を思い、生活をつつしみ、喪服を着て過ごすという意味
喪中には、一般的に以下のことをしないとされています
- お酒を飲まない
- 動物のお肉を食べない
- 娯楽をしない
- 祝い事をしない
- お正月の年賀状や挨拶、お祝いをしない
- 結婚式をしない
- 旅行をしない
「死」に対する考え方は、宗教や国により異なります。
「死」をマイナスと考えない宗教では、喪中という習慣はありません。
忌中とは
忌中(きちゅう)は、喪中に含まれる期間のことで、「社会との接触をさける」時間のこと
昔は、疫病(伝染病)で亡くなる人が多かったため、人との接触を避けて過ごす期間が必要だったこともあり、喪中や忌中というのができたとされています。
今ではなくなりましたが、昔は、喪中と忌中の期間が細かく決められていました。
※政府の法令で明治7年~、昭和22年に廃止
喪中(もちゅう)のお宮参りはしてもよい?
神社とお寺で違います。
どう違うかをご説明します。
お宮参り 神社へ行きたい場合
忌中(きちゅう)を過ぎていれば、喪中(もちゅう)でも、「神社」でお宮参りをすることは問題ありません。
喪中でも「忌中」を過ぎていれば、お宮参りはできます。
「神社」では、50日(忌引き/忌中)を過ぎればお参りしても良いので、
51日目以降なら問題ありません。
お宮参りは地域によって、しきたりが違うため、
もし、わからないときは、行く予定の神社へ問い合わせてみましょう。
忌中(きちゅう)の期間
- 神道(神式)では、亡くなってから50日目の五十日祭までの期間
- 仏教では、亡くなってから49日目の四十九日の法要までの期間
喪中(もちゅう)の期間
- 一般的には、亡くなってから「忌中を含む1年間」
忌中と喪中は神道に由来
「忌中(きちゅう)」「喪中(もちゅう)」は神道に由来する考え方です。
神道では、人の死は「気が枯れる」と考え、後に「気枯れ」→「けがれ=穢れ」となりました。
家族を亡くした遺族も「気が枯れている」状態であるとし、そのような状態で神様のもとへ参拝するのは失礼にあたるため、
「忌中」に神社へ参拝に行くのは良くないと言われるようになりました。
「けがれ」と聞くと「汚れ」のように感じるかもしれませんが、決して「死」を汚いものと考えているわけではありません。
くれぐれも誤解のないようにご注意ください。
忌中期間の違い
神道 | 死んでから50日目まで、51日目忌明け |
仏教 | 四十九日の法要まで |
カソリック | 30日目の追悼ミサまで |
プロテスタント | 1か月目の召天記念日まで |
※ キリスト教では、死は「天国へ召される喜ばしいこと」とされていますが、日本では忌中・喪中が宗教というよりマナーのように広まっているので、キリスト教でも受け入れられており、追悼ミサ/召天記念日までを忌中としています。
お寺へお宮参りへ行きたい場合
忌中でも、喪中でも、お寺へ行くのは問題ありません。
仏教で「死」は、「成仏(じょうぶつ)」と考えられているため、「忌中」という考え方はありません。
ですので、お寺でお宮参りをするのは、いつでも大丈夫です。
お寺では、お宮参りではなく
- お初参り(おはつまいり)
- 初参り(はつまいり)
- お礼参り(おれいまいり)←お寺で安産祈願をした場合
と言います。
ちなみに、お礼に納めるお金は、「初穂料(はつほりょう)」ではなく「祈願料(きがんりょう)」と言います。
いく時期や目的は同じですか?
一般的には生後1か月ごろに行き、赤ちゃんが無事に産まれたことを感謝し、これからの健やかな成長を願います。
宗派によっては、生後100日目など、時期が異なります。
行きたいお寺が、お初参りのご祈祷をしているか、わからない場合は、
ホームページや電話で確認してみましょう。
安産祈願をしているところなら、お初参りもやっています。
お宮参り・お初参りの日程を決めるうえでの注意点
最近では、「無宗教葬儀(むしゅうきょうそうぎ)」をする方が、増えつつあります。
無宗教の場合は、「忌中」も「喪中」も、ありません。
ですので、本来ならば
- 無宗教葬儀=お宮参りを控えなくて良い
- お寺=忌中も喪中も関係なくお参りできる
はずですが、注意点があります。
それは、日本では宗教とは関係なく一般的に、
- 忌中・喪中の慶事(お祝い事)は控えるべき
- 忌中・喪中は慎ましく(つつましく)すべき
という考えが浸透しているため、ご家庭によっては意見がわかれることがあります。
お宮参りは、赤ちゃんにとって、一生で一度の大切な日
もめることなく、皆でお祝いしてあげたいですよね。
もし、日程をずらせるのであれば、「忌中」と言われる(49~50日)、待つのが良いかもしれません。
【カメラマンが伝授】喪中のお宮参りに悩んだときの対処方法
①お宮参りの時期をずらす
神社でも忌中の期間を過ぎれば、お参りできます。
生後1か月でお宮参りをご予定されていた場合は、生後3か月まで待てば良いでしょう。
生後3か月ぐらいにお宮参りをされる方は多いですし、それぐらい成長していれば 外出もしやすくなっています。
また、表情も豊かになっているので、赤ちゃんの笑顔の写真も撮りやすくなっています。
生後1か月に行きたかったのに残念と思わず、
- 授乳間隔も長くなり、お出かけしやすくなっている
- 表情が豊かで笑顔も撮影しやすい
- 起きている時間も長くなっている
など、ポジティブに考えましょう。
お宮参りは生後5~6か月でするご家庭もけっこうありますので、
生後1か月にこだわらず、1~6か月で行えばOKです。
時期よりも、健やかな成長を願う心や無事産まれたことへの感謝、祝福の気持ちが大切ですから。
②写真だけで済ませる
お宮参り、お初参りをせず、とりあえず記念撮影だけしておくのも良いでしょう。
この場合は、とくに忌中や喪中は気にすることもないのですが、
赤ちゃんに「お祝い着」を着せるため、忌中は避けたほうが無難です。
ロケーション撮影では、お祝い着をつけて屋外での撮影になりますので、「気分的にそれはちょっと…」と思うのであれば、写真館がおすすめです。
写真館(フォトスタジオ)でも、お祝い着をつけるのは同じですが、撮影時間は短いです。
必要な写真だけお願いし、サッと撮影すれば1時間もかかりません。
パパ、ママ、赤ちゃんだけで撮影に行くなら、
- 赤ちゃん1名の写真1カット
- パパ、ママ、赤ちゃん3名の家族写真を1カット
がスタンダードです。
ご両家の祖父母も参加する場合は、ご親族全員の写真も1カット撮っておきましょう。
ご親族の皆様でお写真を撮ることは、何十年後かに「自分が産まれたとき、みんなに祝福されたんだ」と思える大切なものとなります。
お宮参りをする、しないに関わらず、お写真だけでも残してあげられると良いですね。
③故人がお宮参りを楽しみにしていたなら…
故人が、お宮参りを楽しみにしていた場合は、通常通り(予定通り)お宮参りを行いましょう。
※忌中は避けたほうが無難です。
まとめ
神社でのお宮参りなら…
喪中でも「忌中」を過ぎていれば、お宮参りはOK。
「神社」では、50日(忌引き/忌中)を過ぎればお参りしても良いので、
51日目以降なら問題なし!
忌中の期間
神道(神式)=50日
仏教=49日
喪中の期間
忌中を含む1年間
お寺でのお初参りなら…
いつでも、お参りOK。
お寺では、お宮参りではなく「お初参り(おはつまいり)/初参り(はつまいり)」と言う。
お寺で安産祈願をした場合は「お礼参り(おれいまいり)」と言う。
お礼に納めるお金は、「初穂料(はつほりょう)」ではなく「祈願料(きがんりょう)」と言う。
日程を決めるうえでの注意点
日本では宗教とは関係なく一般的に、
- 忌中・喪中の慶事(お祝い事)は控えるべき
- 忌中・喪中は慎ましく(つつましく)すべき
という考えが浸透しているため、人によっては「こんな時期にお宮参り⁈」と嫌悪感を出すことも…
もめないように、親族や家族でよく話し合って決めよう!
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